ネット通販は日常生活に身近な存在となり、インターネット環境があれば場所を問わず利用できるようになりました。豊富な品揃えに加え、自宅まで商品を届けてもらえる手軽さもあり、多くの人に利用されています。
その一方で、正規の通販サイトを装った悪質な詐欺通販サイトも存在します。実在する企業や店舗のサイトに似せたページを作るなど、利用者が正規のサイトと誤認しやすい手口も見られます。
オンラインショッピングを利用する際は、実店舗で暗証番号を他人に見られないよう注意するのと同じように、インターネット上でも安全に利用するための基本的な習慣を身につけておくことが大切です。
ここでは、ショッピングサイトの安全性を確認する方法をはじめ、詐欺サイトを見分ける際のポイントや悪質な誘導手口、被害に遭った場合の対処法について解説します。
ショッピングサイトの利用で起こりうる被害

詐欺通販サイトは、正規のネット通販サイトを装って商品の注文を受け付けるWebサイトです。
注文時に氏名や住所などの個人情報、クレジットカード番号などを入力させ、代金を支払っても商品を発送しなかったり、注文とは異なる商品や偽物を送ったりするケースがあります。
商品が届かないだけではない
詐欺通販サイトを利用すると、代金を支払ったにもかかわらず商品が届かず、金銭的な被害につながることがあります。
また、注文時に入力した氏名、住所、電話番号などの個人情報やクレジットカード情報が不正に取得され、悪用される可能性もあります。
届いた商品が注文したものと異なる場合、販売業者に連絡して対応を求めることも考えられます。しかし、サイトに記載された電話番号が偽のもので、連絡が取れないケースもあります。
こうした被害を避けるには、商品や価格だけを見るのではなく、利用する前にショッピングサイトの安全性を確認することが大切です。運営者の情報や連絡先、サイトのURLなどを確認し、不審な点がないかを確かめてから利用しましょう。
ショッピングサイトの安全性を確認する方法

詐欺通販サイトかどうかを、ひとつの項目だけで判断することはできません。URLや運営者の情報、商品の価格、支払い方法などを確認し、不自然な点がないかを総合的に見ることが大切です。
URLやドメインに違和感がないか
ショッピングサイトを開いたら、まずアドレスバーに表示されているURLを確認しましょう。実在するサイトとよく似たURLやドメインを使い、利用者を誤認させるケースがあります。
企業名やブランド名の一部だけが異なっていたり、見覚えのないドメインが使われていたりする場合は注意が必要です。ただし、URLだけで安全なサイトかどうかを判断することはできません。ほかの項目もあわせて確認してください。
運営者の情報を確認する
サイト内に記載されている会社名、住所、電話番号なども確認しておきたい項目です。これらの情報が実在するものか、会社名や住所などを検索して確かめてみましょう。
サイトに実在する企業の情報が記載されていても、その企業が実際にサイトを運営しているとは限りません。掲載されている情報だけで判断せず、複数の情報を照らし合わせることが大切です。
商品の価格や販売条件を見る
ほかの通販サイトと比べて、商品が極端に安くなっていないかも確認しましょう。相場から大きく外れた価格で販売されている場合は、注意が必要です。
また、「本日限り」「残りわずか」などの表示で購入を急がせるサイトにも注意してください。焦って注文せず、商品の価格や販売条件を落ち着いて確認しましょう。
支払い方法に不自然な点がないか
支払い方法が極端に限られていないかも確認しておきましょう。クレジットカード決済しか選べない、銀行振込による前払いしか利用できないなど、不自然な点がないかを確認します。
銀行振込を利用する場合は、サイトに記載されている事業者名と振込先の口座名義が一致しているかも確認しましょう。
サイト内の文章や表示を確認する
商品ページだけでなく、サイト全体の文章にも目を通しましょう。誤字脱字が多い、不自然な日本語が使われている、商品説明や会社情報に不自然な点があるといった場合は注意が必要です。
返品や交換の条件、問い合わせ先なども確認しておきましょう。購入後の対応について必要な情報が記載されているかを確認することも、ショッピングサイトの安全性を判断する材料になります。
セキュリティソフトなどの警告を確認する
セキュリティソフトやブラウザーを利用している場合、アクセスした際に警告が表示されることがあります。警告が表示された場合は、そのまま利用せず、サイトの安全性を確認しましょう。
ただし、セキュリティ機能で問題が検出されなかったからといって、そのサイトが必ず安全とは限りません。URLや運営者情報、価格、支払い方法なども確認したうえで、利用するか判断することが大切です。
詐欺通販サイトに誘導されるケース

詐欺通販サイトへの誘導には、メールやSMS、SNS、検索サイト、ネット広告など、さまざまな手段が使われています。普段から利用しているサービスを装うなど、利用者が不審に感じにくい形で誘導されることもあります。
どのような経路で詐欺通販サイトにアクセスしてしまうのかを知っておくことが大切です。
フィッシングメールとSNSのメッセージ
普段利用しているネット通販サイトやサービスを装い、メールやSMSを送る手口があります。送信者名などを偽装し、本文に記載したURLから偽のサイトへ誘導します。
本物から届いた連絡だと思い込んでURLを開いてしまうと、詐欺通販サイトにアクセスしてしまう可能性があります。SNSのダイレクトメッセージに偽のURLを記載して送るケースもあるため、身に覚えのないメッセージや不審なアカウントからの連絡には注意が必要です。
メッセージに記載されたURLをすぐに開くのではなく、普段利用している公式サイトやアプリからアクセスするようにしましょう。また、不審な相手には返信せず、氏名や住所、電話番号などの個人情報を伝えないことも大切です。
検索サイトやネット広告からの遷移
商品名や型番などを検索した際に、詐欺通販サイトが検索結果に表示されることがあります。また、WebサイトやSNSに掲載された広告から、詐欺通販サイトへ誘導されるケースもあります。
正規サイトへのリンクだと思ってアクセスしたところ、実際には別のサイトへ誘導されることもあります。正規のWebサイトが改ざんされ、利用者を別のサイトへ誘導するために悪用されるケースもあるため、検索結果や広告からアクセスする場合も、URLを確認することが重要です。
ショッピングサイトの支払い段階で気をつけたいこと

偽のショッピングサイトでは、注文手続きを進める途中で支払い方法や入力項目に不自然な点が見つかることがあります。決済画面まで進んだあとでも、違和感がないか確認することが大切です。
振込先が個人名義になっている
銀行振込を選択した際、法人が運営しているサイトにもかかわらず、振込先として個人名義の口座が指定されるケースがあります。サイトに記載された運営者の情報と、振込先の口座名義が一致しているか確認しましょう。
特に、サイトには法人名が記載されているのに、振込先が個人名義になっているなど、両者の関係が分からない場合は注意が必要です。支払いを急がず、運営者の情報や連絡先なども含めて確認してください。
カード決済から銀行振込に変更される
クレジットカードで支払えると表示されていたにもかかわらず、決済の途中で銀行振込を案内されるなど、当初とは異なる支払い方法を求められることがあります。
また、クレジットカード決済の際に、支払いに必要とは考えにくい個人情報まで入力を求められた場合も注意が必要です。カード情報や個人情報を入力する前に、何のために必要な情報なのかを確認しましょう。
支払い方法や入力項目に不自然な点がある場合は、そのまま手続きを進めず、サイトの運営者情報やURLなどを改めて確認することをおすすめします。
詐欺通販サイトを利用してしまったときの対処方法

詐欺通販サイトで商品を注文したり、クレジットカード情報やパスワードなどを入力したりした場合は、そのままにせず、できるだけ早く対応しましょう。
入力した情報や利用した支払い方法によって必要な対応が異なるため、状況に応じて確認することが大切です。
クレジットカード会社に連絡する
クレジットカードで決済した場合は、カード会社に連絡し、利用した日時や金額、サイトの情報などを伝えてください。不正利用が疑われる場合は、カードの利用停止や再発行などについて案内を受けられます。
詐欺サイトで入力した情報がクレジットカード番号だけとは限らない点にも注意が必要です。氏名や住所などの個人情報を入力している場合は、どのような情報を伝えたのか整理しておきましょう。
パスワードを変更する
詐欺サイトで、普段利用しているサービスと同じユーザーIDやパスワードを入力した場合は、早めにパスワードを変更しましょう。
同じパスワードを複数のサービスで使い回している場合は、該当するサービスについても変更が必要です。新しいパスワードは、ほかのサービスで使用しているものとは異なるものを設定してください。
やり取りやサイトの情報を保存する
詐欺サイトの運営者とメールやメッセージでやり取りしている場合は、内容を削除せずに保存しておきましょう。サイトのURL、注文内容、支払いに関する情報、メールやメッセージの履歴なども、後から確認できるように残しておくと安心です。
被害の状況によっては、警察や相談窓口への相談も検討してください。相談する際に必要になることがあるため、関連する情報はできるだけ整理しておきましょう。
被害に気づいた時点で対応を始めることで、その後の手続きを進めやすくなります。何を入力したのか、いくら支払ったのか、どのようなやり取りがあったのかを整理し、必要な連絡先へ早めに相談しましょう。
詐欺通販サイトを避けるためには?

詐欺通販サイトの被害を防ぐには、普段からアクセスする方法やサイトの確認方法に気をつけることが大切です。メールやSMSなどに届いたリンクをそのまま開くのではなく、正規のサイトからアクセスする習慣をつけておきましょう。
公式サイトはブックマークから開く
普段利用している通販サイトは、正しいURLを確認したうえでブラウザーにブックマークしておくと便利です。ログインするときも、メールやSMS、SNSのメッセージに記載されたリンクからではなく、ブックマークや公式アプリからアクセスしましょう。
検索結果やネット広告からアクセスする場合も、表示されたURLを確認してください。アクセスした先が目的のサイトと同じかどうかを確かめ、不自然なURLが表示されている場合は、そのまま利用しないようにしましょう。
OSやソフトウェアを最新の状態にする
パソコンやスマートフォンのOS、利用しているソフトウェア、セキュリティソフトは、更新があれば適用して最新の状態にしておきましょう。
また、通販サイトを利用する端末を家族や職場でも使っている場合などは、自分の端末で入力した情報がほかの用途に影響する可能性もあります。個人でできる対策に加えて、必要に応じて組織や家庭内でもセキュリティ対策を確認しておくとよいでしょう。
通販サイトを運営する事業者は、自社サイトが不正に改ざんされていないかを定期的に確認することも重要です。自社ドメインを検索し、身に覚えのないページが表示されていないかなどを確認する方法もあります。
まとめ

オンラインストアは、場所を問わず商品を購入でき、自宅まで届けてもらえる便利なサービスです。一方で、正規の通販サイトを装った詐欺サイトも存在します。
ショッピングサイトの安全性を確認するときは、URLや運営者の情報だけで判断せず、サイト内の日本語や商品の価格、支払い方法なども確認しましょう。メールやSMS、SNSのメッセージ、検索結果やネット広告などをきっかけにサイトへ誘導されることもあるため、リンクをそのまま開かず、ブックマークや公式アプリからアクセスする方法もあります。
万が一、詐欺通販サイトで商品を注文したり、クレジットカード情報やパスワードなどを入力したりした場合は、支払いに利用したカード会社への連絡やパスワードの変更など、状況に応じた対応が必要です。メールやメッセージ、注文内容などの記録も削除せずに保存しておきましょう。

