オンラインショップで購入した商品が届かない時の対処法

オンラインショップで購入した商品が届かない時の対処法

単品で購入したつもりが定期購入の契約になっており、解約や返金に応じてもらえないなどのケースも増加していると報告されています。実際にはどこにも相談できず、泣き寝入りしてしまっている被害者もいるでしょう。

本記事では、オンラインショップにおける商品が届かないトラブルに遭った場合の対処法を解説します。

オンラインショップで商品が届かない場合は債務不履行にあたる可能性がある

オンラインショップで商品が届かない場合は債務不履行にあたる可能性がある

通信販売サイトで商品を購入すると、購入者と販売業者との間で売買契約が成立します。購入者には代金を支払う義務が生じる一方、販売業者には契約内容に従って商品を引き渡す義務があります。

そのため、代金を支払ったにもかかわらず、販売業者が契約で定められた商品を引き渡さない場合は、債務不履行にあたる可能性があります。

「商品が届かない」「注文したものとは異なる商品が届いた」「届いた商品が壊れている」など、契約どおりに商品が引き渡されないケースでは、状況に応じて催告や契約解除、損害賠償請求などを検討することになります。

債務不履行の3つの種類と対処法

債務不履行の3つの種類と対処法

債務不履行とは、契約上の義務が適切に履行されないことを指します。一般的には、「履行遅滞」「不完全履行」「履行不能」の3つに分けて考えられます。

履行遅滞

履行遅滞は、履行が可能であるにもかかわらず、契約で定められた期限までに履行されない状態です。たとえば、在庫があり、商品を引き渡せる状況にもかかわらず、約束した期限を過ぎても商品が届かないケースが該当します。

この場合、まずは販売業者に対して相当の期間を定め、契約どおりに履行するよう求めます。これを「催告」といいます。催告をしても期限までに履行されない場合は、民法第541条の要件を満たせば、契約を解除できる可能性があります。

また、債務不履行によって損害が生じた場合には、損害賠償を請求できる場合があります。

不完全履行

不完全履行は、契約上の義務は履行されたものの、その内容が契約どおりではない状態を指します。注文した商品とは異なる商品が届いた場合などが考えられます。

この場合も、まずは販売業者に対して契約内容に沿った履行を求めます。相手が対応しない場合には、契約の内容や不履行の程度などに応じて、契約解除や損害賠償請求などを検討します。

履行不能

履行不能は、契約上の義務を履行することができなくなった状態です。たとえば、販売対象の商品が火災によって焼失し、引き渡すことができなくなったケースなどが考えられます。

履行不能の場合、履行を求めても実現できないため、状況に応じて契約解除や損害賠償請求を検討することになります。契約解除については催告を必要とするのが原則ですが、民法第542条では、債務の履行が全部または一部不能となった場合など、一定の要件を満たせば催告をせずに解除できるケースが定められています。

契約を解除する場合は、後から通知した事実や内容を確認できるよう、書面やメールなど記録が残る方法で販売業者に通知するとよいでしょう。内容証明郵便を利用する方法もあります。

支払い方法における具体的な対処法

支払い方法における具体的な対処法

商品をクレジットカードで購入した場合にはカードの支払いを止めるという手段があり、銀行振り込みで支払った場合には口座凍結などの手段が考えられます。

クレジットカード決済での支払い停止の抗弁権

クレジットカードで購入した商品が届かない場合や、契約内容と異なる商品が届いた場合などには、一定の条件を満たすことで、クレジット会社からの請求に対して支払いを拒むことができます。これを「支払停止の抗弁」といい、割賦販売法第30条の4第1項および第35条の3の19第1項に定められています。

商品が届かず、販売業者とも連絡が取れない場合には、カード会社に事情を伝えて、支払停止の抗弁を利用できるか確認しましょう。手続きでは、カード会社所定の「支払停止の抗弁書」などの書類を提出することがあります。具体的な手続きや必要書類はカード会社によって異なるため、早めに確認することが大切です。

ただし、支払停止の抗弁には適用条件があり、すべてのクレジットカード決済が対象になるわけではありません。割賦販売法の適用対象となる取引には、支払総額や支払回数などについて一定の要件があります。たとえば、翌月一括払いのクレジットカード取引は、原則として割賦販売法に基づく支払停止の抗弁の対象外です。

また、支払総額が一定額未満の場合などにも適用されないことがあります。

なお、支払停止の抗弁は、クレジット会社への支払いを一時的に拒むための制度です。販売業者との契約を解除したり、販売業者に対して損害賠償を請求したりすることとは別の手続きになるため、必要に応じて個別に対応する必要があります。

銀行振り込みでの対応

銀行振込で代金を支払ったにもかかわらず商品が届かない場合は、まず販売業者に連絡し、発送状況や今後の対応について確認しましょう。

販売業者と連絡が取れない、連絡先や所在地が確認できないなど、詐欺が疑われる事情がある場合には、警察への相談を検討します。同時に、振込先の金融機関にも事情を伝え、対応について相談しましょう。

振り込め詐欺救済法では、犯罪利用預金口座等に残っている資金を被害者に分配する制度が設けられています。ただし、口座の残高や手続きの状況などによっては、振り込んだ金額の全額が戻るとは限りません。そのため、被害に気付いた場合は、できるだけ早く警察や振込先の金融機関に相談することが重要です。

販売業者と連絡が取れない場合の対応

販売業者と連絡が取れない場合の対応

商品が届かない場合でも、発送の遅れや行き違いなどの可能性があるため、まずは販売業者に連絡して状況を確認しましょう。一方で、問い合わせても返信がない、連絡先が記載されていないなど、販売業者と連絡を取ること自体が難しいケースもあります。

サイトに掲載された所在地や連絡先が実在しないなど、販売業者の実態を確認できない場合には、注意が必要です。

運営サイトへの問い合わせと詐欺サイトが疑われる場合

Amazonや楽天などの通信販売サイトに出店しているショップから商品を購入した場合は、ショップへの問い合わせに加えて、利用したサイトの運営会社にも相談してみましょう。運営会社によっては、出店ショップへの連絡やトラブル解決のための案内を行っている場合があります。また、一定の条件を満たした場合に、購入代金を補償する制度を設けているサイトもあります。利用できる制度や条件は、各サイトで確認してください。

問い合わせに返信がない、販売業者の連絡先が確認できない、掲載されている所在地や事業者情報が実在しないなど、複数の不審な点がある場合は、詐欺サイトである可能性も考えられます。特に海外の販売サイトを利用した場合は、国内の事業者との取引とは異なる点にも注意が必要です。

詐欺の可能性がある場合は、自分だけで販売業者を探して解決しようとせず、警察や消費生活センターなどの公的な相談窓口に相談しましょう。返金を求める場合には、弁護士への相談も選択肢の一つです。注文画面や販売業者とのやり取り、支払い記録などは、相談や手続きの際に必要になる可能性があるため、削除せずに保存しておくとよいでしょう。

オンラインショップでトラブルが起きた場合の相談窓口

ネット通販のトラブルは多発しているため、さまざまな窓口で相談を受け付けています。トラブルが起きた場合には、ひとりで悩まずに次のような相談先に連絡しましょう。

消費生活センターや警察などへの相談

消費生活センターでは、商品やサービスの購入に関する消費者トラブルについて相談できます。専門の相談員から、問題の解決に向けた助言や情報提供を受けられます。消費者ホットライン「188」に電話をすると、最寄りの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

日本通信販売協会の「通販110番」でも、通信販売に関する相談を受け付けています。電話やメールで相談でき、通信販売に関するトラブルについて専門の相談員に相談できます。海外の通信販売に関する相談についても案内されています。

詐欺が疑われる場合は、販売業者とのメールやメッセージ、注文確認画面、支払い記録などを保存したうえで、警察への相談を検討しましょう。都道府県警察には、サイバー犯罪に関する相談窓口も設けられています。相談する際は、注文確認メールやクレジットカードの利用明細など、取引の状況が分かる資料を準備しておくとよいでしょう。

弁護士や司法書士への相談

販売業者が返金に応じない、連絡が取れないなど、当事者間での解決が難しい場合には、弁護士や司法書士への相談も選択肢になります。

販売業者に返金を求める場合には、契約内容や支払い状況などを確認したうえで、相手方と交渉する必要があります。契約解除や損害賠償請求など、法的な対応を検討する場合は、弁護士などの専門家に相談すると、具体的な手続きについて助言を受けられます。弁護士に依頼した場合は、代理人として相手方との交渉や、内容証明郵便による通知などを行ってもらえることがあります。

ただし、専門家に依頼すると費用が発生するため、被害額が少ない場合には、回収できる金額とのバランスを考える必要があります。依頼する前に、費用や対応してもらえる範囲について確認しておきましょう。また、司法書士は扱える業務や請求額などに一定の制限があるため、相談内容に応じて適切な専門家を選ぶことが大切です。

まとめ

オンラインショップで購入した商品が届かない時の対処法まとめ

ネット通販は手軽に利用できる一方、代金を支払ったにもかかわらず商品が届かないなどのトラブルが起こることがあります。販売業者と連絡が取れない、返金に応じてもらえないといった場合でも、状況に応じて取れる対応があります。

まずは販売業者に連絡して商品の発送状況などを確認し、解決しない場合は、利用した通販サイトの運営会社や消費生活センターなどに相談しましょう。詐欺が疑われるときには、警察や振込先の金融機関への相談も検討できます。契約解除や返金請求など、法的な対応が必要な場合は、弁護士や司法書士への相談をおすすめします。