怪しいECサイトの見分け方|消費者・事業者ができる対策

怪しいECサイトの見分け方|消費者・事業者ができる対策

ネット通販の利用が一般的になる中で、金銭や個人情報を狙う詐欺サイトの被害が増加しています。正規のオンラインショップを装うサイトで買い物をすると、商品が届かないだけでなく、クレジットカード情報が悪用されるといった深刻なトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

本記事では、利用しようとしているECサイトが怪しいと感じたときに見抜くポイントや、被害を防ぐために消費者と事業者が取るべき対応策について詳しく解説します。

偽ECサイトの概要と目的

偽ECサイトの概要と目的

偽ECサイトとは、実在するブランドや企業のオンラインショップを模倣したり、架空の店舗を装ったりして、商品を販売しているように見せかける不正なサイトです。

検索結果で目立つ位置に表示させたり、正規ブランドを装ったSNS広告を配信したりするなど、さまざまな方法で消費者をサイトへ誘導します。

金銭と個人情報の詐取

偽ECサイトでは、商品代金をだまし取ることを目的としたケースがあります。注文や決済を済ませても商品が届かなかったり、届いた商品が偽物や注文したものとは異なる商品だったりする場合があります。

また、氏名や住所、クレジットカード情報などの個人情報を入力させ、不正に取得することもあります。取得された情報が不正決済などに悪用されれば、消費者だけでなく、正規のECサイトや加盟店にも被害が及ぶおそれがあります。

怪しいECサイトを見分けるポイント

怪しいECサイトを見分けるポイント

偽のECサイトは正規のサイトを許可なく複製して本物そっくりに作られているため、一目見ただけでは判断が難しい場合があります。

しかし、細部を確認すると不自然な点が隠されています。閲覧しているECサイトが怪しいと感じた場合は、以下の項目を確認してみてください。

  • ドメインとURLの確認
  • 極端な価格設定と商品のラインアップ
  • 不自然な日本語表記
  • 会社概要と購入画面の不備
  • 会社概要と購入画面の不備

ドメインとURLの確認

ドメインは一つのサイトにつき一つしか取得できないため、正規サイトとの違いが現れやすい部分です。ブランド名に余計な文字が含まれているURLや、「.xyz」「.online」「.top」といった一般的ではないドメインが使用されている場合は注意が必要です。

スマートフォンではURL全体が表示されないことがあるため、アドレス欄をタップして全体を確認する習慣をつけましょう。

極端な価格設定と商品のラインアップ

商品を相場よりも大幅に安い価格で販売しているサイトは危険です。高級時計などが定価の数万円で売られているような過剰な値引きは、消費者心理をあおる詐欺サイトの典型的な手口といえます。

また、家電製品とブランドのジュエリーなど、全く関連性のない商品を幅広く扱っている場合も警戒する必要があります。

不自然な日本語表記

サイト内の文章に、翻訳ツールをそのまま使ったような不自然な日本語が見られることがあります。「土日は営業しておりませんです」といった違和感のある表現や、見慣れない簡体字のフォントが使われている場合は、詐欺サイトである可能性が高いです。

会社概要と購入画面の不備

会社名や住所、電話番号、代表者名が記載されていないサイトは利用を控えるべきです。電話番号が国際表記になっていたり、連絡先がフリーメールのみであったりする場合も危険です。

さらに、購入手続き画面において、住所の入力欄が「番地、市区町村、都道府県」のように不自然な順番になっている場合や、決済方法が銀行振込のみに限定され、振込先の口座名義が個人名になっている場合は、詐欺サイトである特徴と合致します。

消費者が実践できる被害の予防策

消費者が実践できる被害の予防策

詐欺サイトの被害に遭わないためには、サイトの細部を確認するだけでなく、日頃から予防策を講じておくことが重要です。

アクセス経路に注意する

偽サイトにアクセスしないためには、日頃利用する正規サイトをブックマークに登録しておくか、検索エンジンから公式サイトを確実に開くことを心がけてください。

大手サイトや宅配業者を装ったフィッシングメールやSMSから誘導されるケースも多いため、不審なメールのURLは開かないことが大切です。

セキュリティ環境を整える

利用しているパソコンやスマートフォンのOS、ブラウザはできるだけ最新版を利用し、サポート対象内のバージョンを維持してください。古いバージョンを使用し続けると、セキュリティの脆弱性を突かれる恐れがあります。

また、危険なサイトを検知して警告を表示するセキュリティソフトを導入することや、URLを入力して危険度を確認できるチェックサイトを活用することも有効な対策です。

その他のネット詐欺に対する知識

ECサイトに関連する他の詐欺手口を知っておくことも身を守る手段になります。身に覚えのない代引き注文が届いた場合は、受け取りを拒否してください。仮に支払ってしまった場合でも、不正な代引きはクーリングオフが可能です。 

ワンクリック詐欺の場合は、サイトのURLやボタンをクリックして高額な請求画面が表示されても、慌てずに無視してください。法的な支払い義務は生じません。

また、チケットの転売詐欺を防ぐため、購入の際はSNSなどを避け、必ず公式サイトを利用するようにしましょう。

偽ECサイトで情報を入力してしまった場合の対処法

偽ECサイトで情報を入力してしまった場合の対処法

万が一、詐欺目的のサイトでアカウント登録や商品の購入を行ってしまった場合は、被害の拡大を防ぐために迅速な対応をとる必要があります。

金融機関への連絡と登録情報の変更

クレジットカードで決済してしまった場合は、すぐにカード会社へ連絡して利用停止の手続きを行ってください。あわせて、身に覚えのない不正な利用履歴がないかを確認します。銀行振込で情報を入力してしまった場合も、銀行で暗証番号の変更などの手続きを行うことが推奨されます。

また、怪しいサイトにアカウント登録してしまった場合は、可能であればすぐに退会手続きを行うか、登録情報をでたらめな内容に書き換えてください。同じIDやパスワードを他のサービスでも使い回している場合は、速やかに強固なパスワードに変更する必要があります。

証拠の保存と関係機関への通報

サイトのURL、画面のスクリーンショット、振込先情報や明細、相手とのメール記録などを証拠として保存しておきます。その上で、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口、国民生活センターへ速やかに通報や相談を行ってください。

返金手続きの可能性

詐欺サイトに支払ったお金を取り戻すのは困難ですが、銀行振込の場合は「振り込め詐欺救済法」を利用して被害金の分配を受けられる可能性があります。この手続きには、公告から30日以上の期間が定められており、実際に分配されるまでには90日以上かかることがあります。

クレジットカード払いの場合は、商品の引き渡しがないことを理由に支払いを拒否する「支払い停止の抗弁」や、「チャージバック制度」の主張が認められる場合があるため、カード会社に確認を行ってみてください。

事業者が行うべき自社サイトのなりすまし対策

事業者が行うべき自社サイトのなりすまし対策

EC事業者にとって、自社の正規サイトが偽サイトへの誘導に悪用されたり、なりすましサイトを作られたりするリスクは深刻な問題です。

想定される被害と影響

なりすましサイトを放置すると、自社が保有する個人情報の漏洩や不正送金、不正な会員登録といった被害が発生します。顧客から「商品が届かない」というクレームが寄せられることによるブランドイメージの棄損や、株価の下落、最悪の場合はサービスの撤退に追い込まれる可能性もあります。

また、盗まれたクレジットカード情報が自社サイトでの不正決済に悪用された場合、商品損失や決済承認率の低下といった二次被害にもつながります。

自社サイトを守るセキュリティ強化

攻撃者はソフトウェアの脆弱性などを突いて不正アクセスを行い、サイトを改ざんします。これを防ぐためには、OSやCMS、プラグインなどを常に最新の状態に保つことが基本です。更新が遅れる場合は、Webサーバーを攻撃から守る「WAF」などのセキュリティ製品を導入し、ゼロデイ攻撃への対策を行うことが有効です。

また、管理者アカウントのパスワードは推測されにくいものに設定し、多要素認証の導入や権限の最小化を徹底してください。検索エンジンを利用して見覚えのないページが表示されていないか確認したり、サーバーのログに不審なアクセスがないかを定期的にチェックしたりすることも重要になります。

被害発生時の対応手順

自社サイトがなりすまし被害に遭った場合は、まずクレームのあった被害者へ丁寧な説明を行います。次に、正規サイトのURL、ドメイン所有者の情報、詐欺サイトの振込先口座情報などを用意し、警察の相談窓口へ連絡してください。

また、自社サイト上に「当社を騙る偽サイトが存在しています」といった注意喚起を掲載し、消費者に警戒を呼びかけることも必要です。サイトがすぐに削除されない場合は、再度警察へ連絡したり、検索エンジンへ問い合わせを行ったりするなどの対応を継続し、社内でのセキュリティ研修や不正注文を防ぐ仕組みの導入を検討してください。

まとめ

怪しいECサイトの見分け方まとめ

消費者と事業者の双方に向けて、偽ショッピングサイトの被害を防ぐための知識と対策について解説しました。 利用しようとしているECサイトが怪しいと感じたときは、URLの文字列や商品の価格、会社概要の記載内容などを細かく確認し、少しでも不審な点があれば利用を控えることが大切です。万が一被害に遭ってしまった場合は、クレジットカードの利用停止や警察への相談など、被害を最小限に抑える行動を速やかに取ってください。

事業者は自社のサイトが改ざんされたり模倣されたりしないよう、システムの最新化やログの監視といったセキュリティ対策を徹底することが求められます。消費者と事業者がそれぞれの立場で対策を講じ、安全なオンラインショッピング環境を守っていきましょう。